毎年の運動会、わが子が走る姿を応援する時間は特別ですよね。ですが、「うちの子、アウトコースになっちゃった…」と少し不安になる保護者の方も多いのではないでしょうか?
実は、アウトコースは走り方のポイントを押さえれば“チャンスのレーン”にもなるんです。この記事では、カーブをうまく使ってスピードを落とさず走るコツや、家庭でできる練習法、メンタル面のサポート方法まで、初心者にもわかりやすく紹介します。
お子さんが自信を持って走れるように、今日からできるヒントを一緒に見ていきましょう。
徒競走で差がつく“意外な要素”とは?

「徒競走はまっすぐ走るだけ」と思っていませんか?実は、カーブの走り方ひとつで結果が大きく変わります。カーブでは、重心のかけ方や腕の振り方、さらには呼吸のタイミングまでがスピードと安定性に影響します。特にアウトコースを走る場合、体の使い方やリズムの取り方がとても重要です。
この記事では、初心者でもわかるように、カーブの走り方や練習のコツをやさしく解説しながら、実際にどう体を動かせばいいかを具体的に紹介します。親子で一緒に練習できるようなポイントも交えています。
スタートダッシュだけでは勝てない理由
運動会ではスタートの速さに注目しがちですが、勝敗を分けるのは中盤から後半にかけての“安定した走り”。勢いよく飛び出しても、カーブでスピードが落ちると追いつかれやすくなります。反対に、カーブで体を安定させながらリズムよく走れる子は、直線に入った瞬間にスムーズに加速できます。つまり、ゴールまでの流れを意識することが、最後の一歩の差につながるのです。
カーブ・テンポ・姿勢が勝負を分ける
カーブでは、体を少し内側に傾けながら走るのがポイント。上体を固めすぎず、しなやかにバランスをとることが大切です。姿勢が崩れるとバランスを失い、スピードが落ちてしまいます。腕の振りは“リズムの拍子木”のような役割を果たし、テンポを整えることで足の動きが自然と軽くなります。
足裏全体でしっかり地面を捉え、一定のテンポで走る練習をしておくと、当日の走りにも安定感が出てきます。
アウトコースでも勝てる!徒競走の新常識

「外コース=不利」は思い込み?
アウトコースは距離が少し長く感じるかもしれませんが、実際には視界が広く、周囲の選手に影響されにくいという大きなメリットがあります。自分のリズムで走ることができる“マイペースレーン”ともいえるでしょう。また、風の流れを感じやすく、スピードの感覚をつかみやすいという利点もあります。
カーブを走る際も、焦らず視線を遠くに保つことで、自然とスムーズなラインを描けます。アウトコースを「広く自由に走れる場所」と捉えると、気持ちの余裕が生まれます。
カーブが“得意コース”になる子の共通点
カーブで強い子は、姿勢や体幹が安定しているだけでなく、リズム感と集中力が高いのが特徴です。体幹を支える筋肉がしっかりしていると、足の動きが安定し、スピードが落ちにくくなります。普段から背筋を伸ばし、地面を意識して歩く習慣をつけるだけでも効果があります。
さらに、遊びの中でバランスボールや片足立ちを取り入れると、カーブ中の重心移動が上手になります。こうした小さな積み重ねが、自然と“カーブに強い体”を育ててくれるのです。
実は重要な「リズムとテンポ」
速く走るだけではなく、テンポを一定に保つことがカーブでは特に大切です。リズムが乱れると、無意識に足の動きがばらつき、力のロスにつながります。テンポを整えるためには、音楽を使った練習が効果的です。
リズム感を育てる簡単な練習として、音楽に合わせて腕振りやその場ジョギングを行うのもおすすめ。親子で楽しみながらテンポを身につけることで、走ることへの前向きな気持ちも生まれます。走るときは、心の中で“トン・トン・トン”と一定のリズムを刻むイメージを持ちましょう。
外コースを味方につける3つのコツ
- 内側に軽く体を傾ける – 遠心力で外に流れないよう、上体を少しだけ内側へ。
- 足の着地は真下を意識する – 前のめりや外向きの着地を防ぐことで安定します。
- 腕の振りで体を支える – 腕をしっかり振ることで、重心がぶれず走りが安定します。
加えて、カーブ中は目線をゴール方向へ向けると、自然に走行ラインが整いやすくなります。呼吸も忘れず、一定のリズムで吸って吐くことを意識しましょう。これだけで、カーブの安定感がぐっと上がります。
気持ちの持ち方で結果が変わる
「外だから不利」と考えるより、「自分だけのレーンを走れる」と捉えましょう。広い視界を活かし、落ち着いて走ることで本来の力を発揮できます。レース前に「自分のペースで走れば大丈夫」と声に出すだけでも、気持ちが軽くなります。
気持ちを整えることは、体の動きにも直結する大切な要素。リラックスした心が、最後の一歩の伸びを生み出してくれるのです。
徒競走の基本とコースの違いを理解しよう

徒競走は「まっすぐ速く」だけじゃない
トラックを使う徒競走では、直線とカーブが組み合わさっています。見た目には単純なコースでも、実際には走るレーンによって微妙な違いがあり、体の動き方や重心のかけ方を変える必要があります。特にカーブをスムーズに抜けることは、直線でのスピードをしっかり活かすために欠かせません。
直線とカーブのつなぎ目では姿勢の切り替えが重要で、ほんの一瞬の意識でスピードロスが防げます。こうしたコツを知ることで、同じ距離でもぐっと走りやすくなるのです。
「スタート位置がズレる」理由(ステッガーとは)
外のコースほどトラックの外側を走るため、スタート位置が少し前に設定されています。これを「ステッガー」といい、どのレーンでも同じ距離になるように工夫されているんです。このズレは安全性や公平性のためのものでもあり、走者の混乱を防ぐ大切なルールです。
実際の運動会ではこの説明を子どもが知らないことも多いので、保護者が「ズレていてもちゃんと公平なんだよ」と教えてあげると安心してスタートに立てます。また、スタートの向きによって視界の広がりも変わるため、事前にレーンを確認しておくと落ち着いて走れます。
カーブと直線で体に起こる変化
カーブでは遠心力が働き、外に引っ張られる感覚があります。これは誰でも感じる自然な力で、正しく意識すれば安定した走りにつなげられます。腕をしっかり振ることで体の軸を整え、重心を少し内側に置くと外に流れにくくなります。
また、足の着地はできるだけ軽く、地面を押すように走るのがポイント。直線に入るときは視線をゴール方向に戻し、呼吸を整えて一気に加速しましょう。こうした体の変化を理解しておくと、レース中に慌てず自然なフォームで走ることができます。
保護者ができるサポート
「焦らず、自分のリズムで走れば大丈夫」と声をかけてあげましょう。プレッシャーを減らすだけで、走りがずっとスムーズになります。さらに、練習のときから「カーブを抜けたらまっすぐゴールを見よう」と励ますことで、子どもの集中力と安心感が高まります。
保護者がレーンの特徴やカーブの仕組みを理解しておくと、当日も的確な声かけができ、子どもにとって心強いサポーターになれます。
カーブの特性を知って走り方を変える

カーブで体にかかる力の正体
カーブでは、外側に引っ張られる遠心力に逆らいながら走る必要があります。そのため、重心をやや内側に置くと安定します。このとき、体を硬くせずに“しなやかに耐える”感覚を意識することがポイントです。
腕の振りを使ってバランスをとりながら、リズムを崩さないように進みましょう。また、外側の足に力を入れすぎるとバランスを失うので、両足で均等に地面を押す感覚を持つと良いです。カーブでは呼吸が浅くなりがちなので、意識して「吸って、吐いて」を繰り返し、リラックスした状態を保つようにしましょう。これだけで走りの安定感が大きく変わります。
理想フォーム3ポイント
- 上体は軽く前傾 – 背中を丸めずに、腰から少し前に倒すようにします。
- 視線はまっすぐ前へ – 視線を下げると姿勢が崩れやすくなるため、ゴール方向を見据えるのがコツです。
- 腕は体の軸を意識してまっすぐ振る – 肩の力を抜き、リズムよく腕を振ることで自然と推進力が生まれます。
加えて、肘を引く動作を意識すると、上半身と下半身の連動がスムーズになり、スピードロスを防げます。練習の際は鏡の前で姿勢を確認したり、動画を撮ってフォームをチェックすると改善が早くなります。
カーブ→直線の走り方(5ステップ)
- カーブでは焦らずリズムを一定に保つ – スピードを上げようと焦ると姿勢が崩れるため、あくまでリズム優先で。
- 内側に体を軽く傾ける – 重心を内側に寄せることで遠心力に負けない走りになります。
- 直線に入る瞬間で姿勢を戻す – カーブを抜けたら素早く体を起こし、次の加速へ備えましょう。
- 腕の振りを少し強くする – カーブでためた力を一気に前へ。呼吸を合わせてタイミングを整えると理想的です。
- ゴールまで“まっすぐ前”を見る – 視線を安定させることで体の軸もぶれず、最後の一歩まで力を出し切れます。
さらに余裕があれば、直線に入った瞬間に「もうひと押し」と声をかけると、自然とスピードが伸びます。カーブから直線への切り替えを“波のように滑らかに”行うイメージを持つと、全体の流れがスムーズになります。
道具選びで差がつく!徒競走ギアの選び方

スニーカーの選び方
軽くてグリップ力のある靴を選びましょう。サイズが合っていないと転倒の原因になるので、事前に必ず試し履きを。特にかかとのフィット感が大切で、少しでも緩いとカーブでズレたり、安定感がなくなります。つま先に少し余裕がある程度が理想で、厚手の靴下を履いても窮屈にならないサイズを選びましょう。
もし可能なら、運動会と同じような地面(グラウンドや砂地)で試し走りをしてみると安心です。また、靴底の溝が深く、滑りにくいタイプはカーブでもブレーキをかけずに走れるためおすすめです。
靴下・インソールの工夫
滑りにくい素材の靴下や、かかとをしっかり支えるインソールを使うと安定感が増します。インソールは衝撃吸収性が高いものを選ぶと、長時間の練習でも疲れにくくなります。汗をかきやすい季節には、吸湿速乾タイプの靴下がおすすめです。
靴の中で足が滑るとフォームが崩れる原因になるため、少し厚めの素材で足にフィットするものを選ぶと良いでしょう。さらに、靴下の丈にも注目。短すぎると靴と擦れて痛くなることがあるので、くるぶしをしっかり覆う長さが安心です。
服装と帽子のポイント
動きやすく、風を通す素材の服を選びましょう。伸縮性のあるポリエステル素材やメッシュ入りのウェアは汗をかいてもベタつきにくく、快適に走れます。気温が高い時期には通気性を重視し、寒い日には薄手のアウターで調整できると安心です。
帽子は軽く、しっかり固定できるタイプがおすすめです。あごひも付きや調整可能なバンドがあると、スタート時の風や走行中の揺れでもズレにくくなります。明るい色は日差しを反射して熱をこもりにくく、写真映えもします。保護者の方は、子どもが「動きやすい・かっこいい」と感じるウェアを一緒に選んであげると、当日のモチベーションアップにもつながります。
緊張に負けないメンタルトレーニング

呼吸で落ち着く
本番前は深呼吸を3回。息をゆっくり吸って、長く吐き出すことで自然と緊張が和らぎます。吸うときは鼻から、吐くときは口からを意識し、肩の力を抜いてみましょう。体がほぐれると同時に、気持ちも落ち着きます。
呼吸に合わせて「大丈夫」「落ち着いて」と心の中で唱えるのも効果的です。緊張を完全になくすことは難しいですが、うまく“味方にする”意識を持つとパフォーマンスが上がります。
イメージ走法
「まっすぐ前を見て、スッとゴールに向かう自分」を頭の中で描くだけでも効果的です。成功するイメージを何度か繰り返すことで、自信を持ってスタートラインに立てます。朝や就寝前など、静かな時間に3回ほど目を閉じて想像するだけでもOK。
音や風、観客の声などをリアルに思い浮かべると、本番でも落ち着いて行動できるようになります。イメージトレーニングは“心の練習”として、体を動かす練習と同じくらい大切です。
保護者の声かけでモチベUP
「楽しんで走っておいで!」という一言が、子どもにとって大きな支えになります。加えて、「どんな結果でも最後まで走れたら立派だよ」「頑張る姿を見られるだけで嬉しいよ」と伝えると、安心感がぐっと増します。
本番前に軽く肩を叩いて笑顔を見せるだけでも、子どもの緊張はやわらぎます。保護者がリラックスして見守る姿勢を見せることが、何よりの励ましになります。
アウトコースのメリットと注意点

メリット
- 広く走れるため、プレッシャーが少ない
- 視界が開けていてリズムを取りやすい
- 他の走者の動きに惑わされず、自分のペースを保ちやすい
- カーブの遠心力が穏やかで、フォームを維持しやすい
- 外側を走ることで自然な流れがつかめ、伸びやかな走りができる
アウトコースは一見距離が長く見えますが、実は落ち着いて走るには最適な環境です。特に、周囲にぶつかる心配が少ないので、初心者や緊張しやすい子どもにとって安心感のあるレーンといえます。広いカーブを活かして、腕を大きく振ることで推進力を上げる練習にも最適です。
注意点
- カーブで外にふくらみやすい
- スタート時に焦らないことが大切
- 直線への切り替え時に姿勢を崩さないようにする
- 外に膨らむ意識を避け、常に「内側を意識する」こと
- カーブ中にスピードを上げすぎると、次の直線でバランスを崩す原因になる
また、アウトコースでは視界が広い分、自分のペースを崩してしまうことがあります。他の走者を追いかけようとするとリズムが乱れやすいので、「自分のテンポ」をキープすることを意識しましょう。スタート前に深呼吸をして気持ちを落ち着かせることで、自然と体もリラックスし、スムーズに走り出せます。
まとめ:カーブを味方につけて、自信を持って走ろう!
アウトコースは決して不利ではありません。リズム・姿勢・メンタルを整えることで、誰でも安定した走りができます。大切なのは、「自分らしい走り方を見つけること」。
お子さんが笑顔でゴールできるように、今日から少しずつ“カーブのコツ”を練習してみましょう。

