英文の編み物パターンを開いたとき、「k」「p」「rep」などの略語が並んでいて、どこから読めばよいのか迷ってしまうことはありませんか。
略語の意味がわからないまま進めると、段数や目数を間違えていないか不安になりやすいものです。
けれど、よく使う略語と記号の役割を少しずつ押さえると、英文パターンは意外と一定のルールで読めるようになります。
この記事では、棒針編み・かぎ針編みでよく使われる略語をはじめ、US式とUK式の違い、繰り返し記号、増し目・減らし目の読み方まで、初心者の方にもわかりやすくご紹介します。
すべてを暗記する必要はありません。編みたい作品に出てくる言葉から確認して、英文パターンを自分のペースで楽しむ準備を整えましょう。
この記事でわかること
- 棒針編み・かぎ針編みの英文パターンでよく使う略語
- かぎ針編みのUS式・UK式による略語の違い
- k2tog・ssk・yoなど、増し目と減らし目の基本
- rep・アスタリスク・括弧を使った繰り返し指示の読み方
編み物の英文パターンでよく使う略語一覧

英文パターンは、よく使う略語の意味を押さえるだけで、ぐんと読みやすくなります。
まずは編み目・段・配色に関する基本略語を一覧で確認し、パターンを読むときにその都度見返せるようにしておくと安心です。
すべてを一度に覚える必要はありません。自分が編む作品に出てくる略語から、少しずつ慣れていきましょう。
棒針編みの基本略語|k・p・st・CO・BO
棒針編みの英文パターンでは、表目と裏目を示す略語が特に頻繁に登場します。
kとp、そして目数に関わるstを理解すると、シンプルな模様編みの指示も追いやすくなります。
| 略語 | 英語 | 日本語での意味 |
|---|---|---|
| k | knit | 表目 |
| p | purl | 裏目 |
| st | stitch | 目・編み目 |
| CO | cast on | 作り目をする |
| BO | bind off | 伏せ止めをする |
たとえば「cast on 30 sts」は、30目の作り目をするという意味です。
「k 5」は表目を5目、「p 3」は裏目を3目編む指示として読めます。
stは単数形で、複数の目を表すときはstsと書かれることもあります。
COとBOは大文字で書かれることが多いものの、パターンによっては小文字で表記される場合もあります。
かぎ針編みの基本略語|ch・sc・dc・tr・sl st
かぎ針編みでは、鎖編みや各種の基本目が略語で示されます。
編み図に慣れている場合でも、英文パターンでは目の名称をアルファベットで読む感覚をつかむことが大切です。
| 略語 | 英語 | 日本語での意味 |
|---|---|---|
| ch | chain | 鎖編み |
| sc | single crochet | 細編み |
| dc | double crochet | 長編み |
| tr | treble crochet | 長々編み |
| sl st | slip stitch | 引き抜き編み |
「ch 10」は鎖編みを10目、「sc in next st」は次の目に細編みを編む、というように読み取れます。
sl stは、編み地をつなげたり、位置を移動したりするときに使われやすい略語です。
ただし、かぎ針編みの略語は表記方式によって名称や対応する目が異なることがあるため、最初にパターンの表記を確認しましょう。
増し目・減らし目の略語|yo・inc・dec・k2tog・ssk
作品の幅や形を変える部分では、増し目・減らし目の略語が使われます。
このグループは見た目の仕上がりにも関わるため、略語の意味と目数の増減をセットで把握しておくと便利です。
| 略語 | 英語 | 意味の目安 |
|---|---|---|
| yo | yarn over | かけ目 |
| inc | increase | 増し目 |
| dec | decrease | 減らし目 |
| k2tog | knit two together | 2目一度の表目 |
| ssk | slip, slip, knit | すべり目を用いる減らし目 |
yoはかけ目を作る指示で、透かし模様に用いられることもあります。
incとdecは増減の意味をまとめて示す表現で、具体的な方法が別途指定される場合があります。
k2togとsskはどちらも減らし目に関係しますが、編み地の傾き方が異なるため、パターンどおりの略語を選ぶことがポイントです。
段・表裏・道具・配色の略語|row・rnd・RS・WS・dpn・MC・CC
編み目以外にも、段の進み方や編み地の向き、使う針や色を示す略語が出てきます。
これらを見落とすと、編む方向や配色の切り替え位置を迷いやすいため、本文を読む前に確認しておくとスムーズです。
| 略語 | 英語 | 日本語での意味 |
|---|---|---|
| row | row | 段 |
| rnd | round | 輪で編む段 |
| RS | right side | 表側 |
| WS | wrong side | 裏側 |
| dpn | double-pointed needle | 両端針 |
| MC | main color | 主な色 |
| CC | contrast color | 差し色・配色用の色 |
rowは往復で編む段、rndは輪の状態で進む段を指すことが一般的です。
RSとWSは編み地の表裏を示すため、模様を入れる位置やとじ合わせる場面で役立ちます。
dpnは靴下の履き口や手袋の指先など、細い筒状の部分を編むときに使われる針です。
MCとCCが指定されている作品では、どの糸が主役の色で、どの糸が模様用の色なのかを最初にメモしておくと迷いにくくなります。
略語の意味は棒針・かぎ針とUS式・UK式で変わる

英文パターンの略語は、棒針編みとかぎ針編みのどちらか、さらにかぎ針編みではUS式かUK式かによって意味が変わります。
とくにかぎ針編みの「dc」は表す編み方が異なるため、最初にパターンの種類と表記方式を確認することが大切です。
同じ略語だけを見て編み始めるのではなく、使う道具や冒頭の用語、編み図の雰囲気を合わせて見ると、指示を受け取りやすくなります。
棒針編みとかぎ針編みのパターンを見分ける方法
棒針編みのパターンには、表編みを示す「k」や裏編みの「p」がよく登場します。
一方、かぎ針編みでは、鎖編みの「ch」、引き抜き編みの「sl st」、細編みや長編みに関する略語が中心です。
使う道具を示す言葉を見ることも、見分けるためのわかりやすい手がかりです。
| 確認する箇所 | 棒針編みで見られやすい表記 | かぎ針編みで見られやすい表記 |
|---|---|---|
| 道具 | knitting needle、circular needle | hook、crochet hook |
| 基本動作 | k、p、cast on | ch、sl st、sc、dc |
| 形を作る始め方 | 作り目から編み始める指示 | 鎖編みや輪の作り目から始める指示 |
| 作品例 | セーター、マフラー、靴下 | モチーフ、小物、あみぐるみ |
ただし、帽子やバッグなどは棒針編みでもかぎ針編みでも作れるため、作品名だけで判断しないほうが安心です。
「needle」は棒針、「hook」はかぎ針を指すことが一般的なので、材料欄にある道具名を先に確認してみてください。
棒針編みとかぎ針編みでは目の作り方そのものが異なるため、両方の略語を混ぜて解釈しないことがきれいに仕上げる第一歩になります。
かぎ針編みのUS式とUK式の用語対応表
かぎ針編みには、主にアメリカで使われるUS式と、イギリスで使われるUK式があります。
鎖編みや引き抜き編みはほぼ共通ですが、基本となる高さのある編み目は、同じ略語でも対応する編み方がずれます。
たとえばUS式の「dc」は長編みですが、UK式の「dc」は細編みを意味します。
「dc」を見つけたら、US式かUK式かを必ず確かめましょう。
| 日本語の編み方 | US式 | UK式 |
|---|---|---|
| 鎖編み | ch | ch |
| 引き抜き編み | sl st | sl st |
| 細編み | sc | dc |
| 中長編み | hdc | htr |
| 長編み | dc | tr |
| 長々編み | tr | dtr |
| 長三つ巻き編み | dtr | trtr |
US式では「sc」から始まり、UK式では同じ高さの編み方が「dc」から始まると覚えると、対応関係をつかみやすくなります。
編み目の高さが一段ずれると、完成した大きさや模様の見え方にも違いが出やすいため、表記方式に合った編み方を選びます。
US式とUK式をパターン内の表記から判断するポイント
US式かUK式かは、パターンのタイトル付近、使用言語の案内、略語一覧に記載されていることがあります。
「US terms」や「American terms」とあればUS式、「UK terms」や「British terms」とあればUK式として読めます。
こうした案内が見当たらない場合は、略語の組み合わせを手がかりに判断します。
- 「sc」が基本の編み目として出てくる場合はUS式の可能性がある
- 「htr」や「dtr」が出てくる場合はUK式の可能性がある
- 「dc」だけで決めず、周囲にある略語も一緒に見る
- 写真の編み地と目の高さを照らし合わせる
たとえば「sc、hdc、dc、tr」と高さが順に並ぶ表記は、US式で見られやすい組み合わせです。
反対に「dc、htr、tr、dtr」と並んでいれば、UK式の可能性を考えられます。
ただし、作家独自の書き方や地域による表現の違いもあるため、略語の一覧と作品内の説明が一致しているかを確認しながら進めると安心です。
表記方式がわかったら、使われている略語を日本語の編み方へ書き換えてメモしておくと、編んでいる途中でも迷いにくくなります。
k2tog・ssk・yoなど増し目と減らし目の編み方

英文パターンでよく出てくる「yo」「k2tog」「ssk」は、透かし模様や形を整えるための増し目・減らし目を表す略語です。
yoは1目増やし、k2togとsskは1目減らします。
とくにk2togとsskは編み地の傾きが反対になるため、記号どおりに使い分けることがきれいな模様につながります。
| 略語 | 意味 | 目数の変化 | 見た目の傾き |
|---|---|---|---|
| yo | 掛け目 | 1目増える | 穴ができる |
| k2tog | 2目一度 | 1目減る | 右上がり |
| ssk | すべり目をしてから減らす | 1目減る | 左上がり |
yoは掛け目で1目増やす
「yo」は「yarn over」の略で、糸を針に掛けて新しい目を作る掛け目です。
針に糸を1回掛けることで、次の段では1目として編めるようになり、目数が1目増えます。
掛け目の部分には小さな穴ができるため、レース模様や透かし模様でよく使われます。
表目を編む流れでは、糸を針の手前から向こう側へ回す動きが基本です。
ただし、直前と直後に編む目が表目か裏目かによって、糸を移動させる方向は変わります。
大切なのは、糸を針に掛けたあと、次の目を通常どおり編むことです。
掛け目のあとに糸を手前へ戻し忘れると、意図しない目ができたり、編みにくくなったりします。
また、「yo」の直後には減らし目が指定されることも多く、増えた目数を戻しながら穴模様を作る構成がよく見られます。
k2togは2目一度で右上に減らす
「k2tog」は「knit 2 together」の略で、2目を一緒に表編みする減らし目です。
左針にある2目へ右針を同時に入れ、1目の表目として編みます。
2目が1目になるため、編み地全体の目数は1目減ります。
表側から見ると減らし目の線が右上へ傾いて見えるため、一般に「右上2目一度」と呼ばれます。
- 左針の先頭から2目に、右針を表目と同じ向きで同時に入れます。
- 糸を掛けて引き出します。
- 左針から2目をまとめて外します。
輪郭を左右対称に整えたいときは、片側にk2tog、もう片側にsskを配置することがあります。
2目へ針を入れるときに力を入れすぎると編み目がきつくなりやすいため、針先を使ってゆっくり進めると扱いやすくなります。
なお、「k3tog」のように数字が変わる場合は、3目を一度に表編みして2目減らすという意味になります。
sskは目を移して左上に減らす
「ssk」は、目をすべらせてから減らし目を作る方法を示す略語です。
一般的には「slip, slip, knit」と説明され、2目を1目ずつすべり目にしてから、2目をまとめて編みます。
完成した減らし目は表側で左上に傾いて見えるため、k2togと対になる減らし目として使われます。
- 1目めを表目を編むときと同じ向きで右針へすべらせます。
- 2目めも同じように右針へすべらせます。
- 左針を右針の2目の手前側から入れ、2目を一緒に表編みします。
sskは、針に目を移す向きや最後に針を入れる位置が少しわかりにくいかもしれません。
まずは減らし目の線が左上へ傾くことを目印にすると、仕上がりを確認しやすくなります。
パターンによっては、sskと似た左上がりの減らし目として「sl1-k2tog-psso」などが使われる場合もあります。
同じように見えても、目の重なり方や模様の印象が異なることがあるため、指定された略語の手順を選びます。
inc・decは指定された方法を確認する
「inc」は増し目、「dec」は減らし目を意味する大まかな案内です。
これらだけでは具体的な編み方まで決まらないため、パターン内で指定された方法を確認してから編むことが大切です。
| 表記例 | 確認したい内容 |
|---|---|
| inc | どの位置から目を拾うか、増し目の方向があるか |
| m1l・m1r | 左上がり・右上がりのどちらの増し目か |
| dec | k2tog、ssk、または別の減らし目を使うか |
| dec 2 sts | 減らす目数が2目なのか、減らし目の回数が指定されているのか |
たとえば増し目には、掛け目で穴を作る方法のほか、目と目の間の渡り糸を拾う方法、同じ目の前後を編む方法などがあります。
減らし目にも傾きや目の重なり方の違いがあるため、作品の形や模様に合う方法が選ばれています。
「inc」や「dec」を見つけたら、本文の説明、編み図、略語の注記に具体的な指示がないかを確認しましょう。
増減の位置にマーカーを付け、段ごとに目数を数えながら進めると、途中で修正しやすくなります。
英文パターンは全体情報から編み方の順に読み進める

英文パターンは、本文をいきなり編み始めるのではなく、作品全体の条件を確認してから、作り目以降の指示へ進むと読みやすくなります。
サイズやゲージ、独自の記号を先に把握しておくと、途中で「思っていた仕上がりと違う」と気づく場面を減らしやすいでしょう。
全体情報→用語の説明→編み方の本文→目数確認という順番を習慣にすると、英文に慣れていない方でも落ち着いて進められます。
最初にサイズ・使用糸・針・ゲージを確認する
パターンの冒頭には、作品名のほかにサイズ、使用する糸、針、ゲージ、完成寸法などの基本情報がまとめられていることが多いです。
ここは編み始める前の準備に関わる大切な部分なので、本文より先に目を通しましょう。
特に複数サイズが掲載されているパターンでは、自分が編むサイズの数字に印を付けておくと、読み間違いを防ぎやすくなります。
| 確認する項目 | 見るポイント |
|---|---|
| サイズ | 自分が選ぶサイズと、該当する数字の並びを確認します |
| 使用糸 | 糸の太さ、必要量、複数色を使うかを確認します |
| 使用針 | 棒針やかぎ針の種類、号数、必要な補助針を確認します |
| ゲージ | 指定された範囲の目数と段数を、自分の編み地と比べます |
| 完成寸法 | 身幅や丈などが希望に近いかを確認します |
海外のパターンでは、針の太さがミリメートル表記になっている場合があります。
手持ちの針を選ぶときは、号数だけで判断せず、対応する太さも確認すると安心です。
また、同じ太さに見える糸でも素材や撚り、編み方によって編み地の密度は変わります。
ゲージは作品の大きさを左右しやすいポイントなので、小さな試し編みをしてから本体へ進む方法がおすすめです。
ゲージが合わない場合は、針の太さを調整したり、編む力加減を見直したりしながら、無理のない範囲で近づけていきましょう。
略語一覧と特別な編み方の説明に目を通す
基本情報の次は、パターン内にある略語一覧や用語集を確認します。
同じ略語でも書き手によって補足が付いていたり、作品独自の記号が設定されていたりするためです。
本文を読みながら毎回意味を調べるよりも、最初に一覧を見ておくほうが流れをつかみやすくなります。
とくに、模様編みや仕立てに関する特別な手順は、本文とは別の場所に詳しく説明されていることがあります。
たとえば「特殊な編み目」「端の処理」「目を拾う位置」などは、文章だけではイメージしにくい場合があります。
写真や図が添えられているなら、編み始める前に一度確認しておくと、作業中に戻る回数を減らせるでしょう。
- 自分にとって初めて見る略語がないか確認する
- 記号と編み方の対応を確認する
- 独自の表現や注意書きに印を付ける
- 別ページの図や写真が必要になる箇所を確認する
一覧をすべて暗記する必要はありません。
よく使う略語はメモに書いたり、該当ページに付せんを貼ったりして、すぐ見返せる状態にしておくと便利です。
パターンの表記と一般的な意味が異なるように感じたときは、そのパターン内の説明を優先するようにしましょう。
作り目から段ごとの指示を順番に読む
準備ができたら、作り目の指示から順番に読み進めます。
英文パターンは、最初に必要な目数を用意し、その後に各段または各周の手順が続く構成が一般的です。
途中だけを拾い読みすると、繰り返しの開始位置やサイズごとの数字を見失いやすくなります。
まずは一段分の指示を最後まで読み、どこまでを繰り返すのか、段の終わりに何をするのかを把握してから手を動かすと安心です。
一度に数段先まで理解しようとせず、「今編む一段」に集中するほうが、初心者の方には続けやすいでしょう。
数字が複数並んでいる部分は、選んだサイズの数字だけを見られるように、色付きのペンやマーカーで控えておく方法もあります。
- 作り目の方法と必要な目数を確認します
- 最初の一段分を読み、作業の流れをつかみます
- 編み終えたら、次の段の指示を読みます
- 模様や形が変わる箇所では、前後の説明も確認します
パターンによっては、途中で糸を替える、別の部分を編み始める、休めておいた目に戻るといった指示が入ることもあります。
そのような切り替わりの前後では、文章を一文だけで判断せず、少し前から読み返すと全体の流れをつかみやすくなります。
行を見失いやすい場合は、定規や紙を当てて、今読んでいる行だけを見えるようにする工夫も役立ちます。
目数を確認しながら少しずつ編み進める
英文パターンを順調に進めるコツは、区切りごとに目数を確認することです。
作り目のあと、模様のひと区切りのあと、形が変わる部分のあとなど、確認しやすいタイミングを決めておくとよいでしょう。
目数が合っていれば、次の指示へ進むときの安心感につながります。
パターンに「最後に何目になるか」が書かれている場合は、その数字を小さな目標として活用できます。
記載がない場合でも、増減のある段では編む前の目数と後の目数をメモしておくと、変化を追いやすくなります。
ただし、模様の都合で数えにくい作品もあるため、無理に毎段数えなければならないわけではありません。
| 確認のタイミング | チェックしたいこと |
|---|---|
| 作り目の直後 | 指定された目数になっているか確認します |
| 模様の繰り返し後 | 模様の区切りがずれていないか確認します |
| 形が変わる指示の後 | 目数や編み地の幅に大きな違和感がないか見ます |
| 休憩する前 | 現在地を記録し、次回の再開位置を明確にします |
編み目マーカー、段数カウンター、メモ帳などを使うと、現在地を管理しやすくなります。
少しでも迷ったときは、そのまま進めず、直前の指示と目数を確認してから再開しましょう。
英文パターンは一文ずつ丁寧に追えば、必要な情報を順番に受け取れるように作られています。
焦らず小さな区切りで確認しながら進めることが、完成まで気持ちよく編み続ける近道になります。
rep・アスタリスク・括弧は繰り返す範囲を示す

英文パターンの「rep」「*」「( )」「[ ]」は、同じ編み方をどこまで繰り返すのかを示すための記号です。
記号の始まりと終わりを先に見つけてから編むようにすると、長い指示もひとまとまりとして読みやすくなります。
一度に文章全体を理解しようとせず、「何を」「何回」、または「どこまで」行うのかに分けて確認するのがポイントです。
「rep from *」はアスタリスク以降を繰り返す
「rep」は「repeat」の略で、「繰り返す」という意味です。
「rep from *」と書かれていたら、アスタリスク(*)が付いた位置まで戻り、そこからの指示を繰り返します。
たとえば「*k2, p2; rep from * to end」とあれば、「表目を2目、裏目を2目」を段の終わりまで続ける読み方になります。
この場合、最初の「k2, p2」を編んだあと、アスタリスクの位置へ戻って同じ組み合わせを繰り返します。
| 英文パターンの例 | 読み方の目安 |
|---|---|
| *k1, p1; rep from * to end | 表目1目、裏目1目を段の終わりまで繰り返します。 |
| k3, *yo, k2tog; rep from * | 最初に表目を3目編み、その後は掛け目、左上2目一度を指定された終点まで繰り返します。 |
アスタリスクの前に書かれた指示は、繰り返しに入る前の準備部分であることがあります。
そのため、最初からすべてを繰り返さないように注意しましょう。
また、アスタリスクが2つ使われている場合は、その2つの記号にはさまれた部分だけを繰り返す形式もあります。
「*k2, p2* 4 times」のような形なら、記号の内側にある「k2, p2」を4回行います。
丸括弧と角括弧はひとまとまりの指示を表す
丸括弧の「( )」と角括弧の「[ ]」は、複数の操作をひとつの組として見やすくするために使われます。
括弧の外に回数があれば、基本的には括弧の中全体をその回数だけ繰り返すと考えると読み取りやすくなります。
たとえば「(k1, p1) 5 times」は、「表目1目、裏目1目」という組み合わせを5回行う指示です。
この場合は、表目だけを5回編んでから裏目を5回編むのではありません。
- (k1, p1) 5 times:表目1目、裏目1目の組を5回繰り返します。
- [k2, yo, k2tog] 3 times:角括弧内の3操作を順番に3回繰り返します。
- k2 (p1, k1) 4 times:最初に表目を2目編んでから、丸括弧内の組を4回繰り返します。
丸括弧は目数の補足に使われることもあります。
たとえば「(24 sts)」は、括弧内の操作を繰り返すのではなく、その時点の目数が24目であることを示している場合があります。
括弧の直後に「times」などの回数表現があるか、目数を表す「sts」が付いているかを見ると、役割を判断しやすくなります。
なお、記号の使い方にはパターンごとの表記差もあるため、括弧の近くにある回数や説明文まで続けて読むことが大切です。
「to end」「times」「more」は回数と終点を示す
繰り返しの指示では、「何回行うか」と「どこで止めるか」を示す言葉がよく使われます。
代表的な表現を覚えておくと、アスタリスクや括弧の意味をより正確につかめます。
| 表現 | 意味 | 確認したいこと |
|---|---|---|
| to end | 終わりまで | その段や周の最後まで続ける指示かを見ます。 |
| times | 〜回 | 直前の操作、または括弧内の組を何回行うか確認します。 |
| more | さらに〜回、さらに〜段 | すでに行った分に追加する回数であることを確認します。 |
「rep from * to end」は、アスタリスク以降の操作を終点まで繰り返すという意味です。
一方で「rep 3 more times」は、すでに1回行った操作に加えて、さらに3回繰り返す読み方になります。
つまり、最初の1回と「3 more times」を合わせると、同じ操作を合計4回行うことになります。
「more」を見落とすと回数がずれやすいため、数字だけでなく前後の言葉も一緒に確認しましょう。
繰り返し指示を読むときは、まず開始位置を探し、次に括弧の範囲を確認し、最後に回数または終点を見る順番がおすすめです。
この流れを意識すると、模様編みのように指示が続く部分でも、落ち着いて作業を進めやすくなります。
RS・WS・row・rndを理解すると段の進み方がわかる

英文パターンでは、RS・WSで編み地のどちら側を見ているかを確認し、row・rndで段の進み方を判断します。
この4つの略語がわかると、次に返して編むのか、そのまま同じ方向に進むのかを迷いにくくなります。
段の指示を始める前には、今は表側か裏側か、往復編みか輪編みかを一度確認する習慣をつけると安心です。
RSは表側、WSは裏側を示す
RSは「Right Side」の略で、作品の表側を示します。
WSは「Wrong Side」の略で、作品の裏側を示します。
ただし、RSを「正しい」、WSを「間違った」と受け取る必要はなく、編み地のどちらを表として使うかを区別するための表現です。
表裏の見た目がほぼ同じ模様でも、パターン上ではRSとWSが決められていることがあります。
特に模様編みや増減目のある作品では、RSでの見え方を基準に指示が書かれていることが多いため、編み始めに確認しておきましょう。
| 略語 | 意味 | 確認のポイント |
|---|---|---|
| RS | 表側 | 完成後に外側・正面として見せる面 |
| WS | 裏側 | 完成後に内側・背面になりやすい面 |
パターンの最初に「Row 1(RS)」とあれば、1段目を編むときに見ている面が表側という意味です。
往復編みでは通常、1段編むごとに作品を返すため、RSとWSが交互に現れます。
ただし、作り目の方法や途中から拾い目をする場所によっては、段番号だけで表裏を判断しにくい場合もあります。
そのため、段番号の偶数・奇数だけで決めつけず、各段に添えられたRS・WS表記を優先することが大切です。
迷いやすいときは、表側に段数マーカーや目印の糸を付けておくと、作業を再開するときにも確認しやすくなります。
rowは往復編みの段、rndは輪編みの周を示す
rowは「Row」の略で、平らな編み地を行ったり来たりして編む往復編みの段を表します。
rndは「Round」の略で、筒状にぐるりと編み進める輪編みの周を表します。
同じ「1段目」のように見えても、rowとrndでは作品の向きや編み進め方が異なります。
| 表記 | 編み方の基本 | 進み方のイメージ |
|---|---|---|
| Row 1、Row 2 | 往復編み | 端まで編んで作品を返す |
| Rnd 1、Rnd 2 | 輪編み | 同じ方向に一周ずつ編み進める |
たとえばマフラーや前後身頃のように平らに編む部分では、rowが使われることが一般的です。
帽子の本体や袖口のように筒状に編む部分では、rndが使われることがあります。
輪編みでは作品を返さないため、基本的には毎周同じ面を見ながら進めます。
一方、往復編みは返すたびに見ている面が変わるため、RSとWSの確認がより重要になります。
なお、輪編みには各周の終わりでつなぐ方法と、つながずにらせん状に進める方法があります。
どちらの方法かはパターンの説明に従い、周の始まりがわかるようにマーカーを活用すると便利です。
次の段へ移る前に目数と編む面を確認する
段を終えたらすぐ次の指示へ進まず、短い確認を挟むと編み間違いに気づきやすくなります。
特に増減目や模様の切り替えがある段では、目数と編む面をセットで確認しましょう。
- その段または周を編み終えた位置まで進んでいるか
- 現在見ている面がRSかWSか
- 次は作品を返すrowなのか、そのまま進むrndなのか
- パターンに書かれた目数と大きくずれていないか
- 周の始まりを示すマーカーが正しい位置にあるか
往復編みであれば、段の終わりで作品を返したあとに、次の段のRS・WS表記を見ます。
輪編みであれば、周の始まりに戻ったことをマーカーで確認してから、次のrndの指示を読みます。
目数が合わない場合は、そのまま進めるよりも、直前の段で増減目を行った場所を落ち着いて見直すほうが安心です。
RS・WS・row・rndを毎段確認する流れができると、英文パターンでも今どこを編んでいるのかを把握しやすくなります。
編み地の英語名を覚えると完成形を想像しやすい

英文パターンに出てくる編み地の名前を知っておくと、文章だけでも作品の表情や質感をイメージしやすくなります。
すべてを一度に覚える必要はなく、まずは基本の編み地を日本語と英語で結び付けることが大切です。
編み地名は、パターンの見出しやデザイン説明を読み取るための手がかりになります。
たとえば、なめらかな表面になりやすい編み地なのか、凹凸があり伸縮性を活かす編み地なのかがわかると、毛糸選びや色選びの参考にもなります。
| 日本語の編み地名 | 英文パターンでの表記 | 見た目・特徴のイメージ |
|---|---|---|
| メリヤス編み | stockinette stitch | 表面が比較的なめらかで、編み目が整って見えやすい |
| ガーター編み | garter stitch | 横方向の凹凸が続く、やわらかな表情 |
| ゴム編み | rib / ribbing | 縦の筋が出やすく、伸び縮みする部分に使われやすい |
| 模様編み | pattern stitch / stitch pattern | 特定の手順を繰り返して作る装飾的な編み地 |
メリヤス編みはstockinette stitch
メリヤス編みは、英文パターンではstockinette stitchと表記されることが多い基本の編み地です。
略してSt stと書かれる場合もあります。
往復編みでは表側に表目の並びが見え、裏側には裏目の並びが見える、なめらかな印象の編み地です。
セーターや帽子、マフラーなど、編み目そのものをすっきり見せたい作品で使われることがあります。
なお、パターンに「work in stockinette stitch」とあれば、指定された範囲をメリヤス編みで進めるという意味として読めます。
英文パターンでは、編み地名のあとに「until piece measures」のような長さの指示が続くこともあります。
その場合は、どの編み地で、どこまで編むのかをひとまとまりで確認すると読み違いを減らせます。
ガーター編みはgarter stitch
ガーター編みは、英文ではgarter stitchと呼ばれ、Garter stと略されることもあります。
表目を続けて編む往復編みでは、表裏ともに横方向のぽこぽことした筋が見える編み地になります。
メリヤス編みとは見た目が異なるため、パターンの写真と文章を照らし合わせるときにも役立ちます。
ガーター編みは端が比較的丸まりにくい傾向があるため、作品の縁やボーダー部分のデザインとして取り入れられることがあります。
たとえば「garter stitch border」とあれば、縁にガーター編みの部分があるデザインだと想像しやすいでしょう。
ただし、輪編みでガーター編みの見た目を作る場合は、往復編みとは手順の考え方が異なることがあります。
編み地名だけで判断せず、その作品が往復編みか輪編みかもあわせて確認することが大切です。
ゴム編みはribまたはribbing
ゴム編みは、英文パターンではribまたはribbingと表記されます。
帽子の折り返し部分や袖口、裾、ネック部分など、伸縮性を活かしたい場所によく見られる編み地です。
「1×1 rib」や「2×2 rib」のように数字が添えられている場合は、表目と裏目を何目ずつ交互に編むかを示しています。
- 1×1 ribは、表目1目と裏目1目を交互に並べるゴム編みです。
- 2×2 ribは、表目2目と裏目2目を交互に並べるゴム編みです。
- k1, p1 ribのような表記は、表目1目、裏目1目を繰り返すゴム編みを指すことがあります。
ゴム編みの種類によって縦の筋の見え方や伸び方の印象が変わるため、数字まで確認すると完成形をより具体的に想像できます。
パターンの写真で袖口や裾に縦のラインが見える場合は、ribbingが使われている可能性を考えられます。
ribは編み地の名前であり、特定の目数だけを表す言葉ではありません。
実際に何目ずつ編むのかは、続く指示文やパターン内の説明で確認しましょう。
模様編みはpattern stitchやstitch pattern
模様編みは、英文ではpattern stitchやstitch patternと表現されます。
これはひとつの決まった編み地名ではなく、複数の段や目の操作を組み合わせて作る模様全般を指す言葉です。
透かし模様、縄編み風の模様、交差模様、凹凸のある模様なども、パターン内ではstitch patternとして説明されることがあります。
たとえば「establish stitch pattern」と書かれている場合は、これから繰り返す模様が成立する最初の段階を編む場面だと考えられます。
また、「continue in pattern」は、すでに始まっている模様の規則を保ちながら編み進める指示として使われます。
模様編みでは、編み地名そのものよりも、段ごとの指示や模様図の有無が重要になることがあります。
そのため、模様の名称だけで自己判断せず、指定された段数や目数の流れを見ると安心です。
基本の編み地名を知っていると、英文パターンのタイトルや説明文から作品の雰囲気をつかみやすくなります。
知らない編み地名が出てきたときは、パターン内でその編み地がどのように説明されているかを確認すると、より正確に読み進められます。
知らない略語はパターン内の用語集を優先して確認する

英文パターンで見慣れない略語が出てきたら、まずはそのパターン内にある用語集や説明欄を確認することが最優先です。
一般的な略語一覧だけで判断すると、制作者ごとの表記や独自の編み方と異なる場合があるためです。
最初に用語の定義をそろえておくと、編み進めてから目数や形が合わなくなる不安を減らせます。
AbbreviationsとSpecial Stitchesを探す
パターンの冒頭や材料一覧の近くには、略語をまとめた「Abbreviations」という項目が置かれていることがあります。
ここには、本文中で使われる略語と、それぞれが表す操作の名称が一覧で記載されています。
また、「Special Stitches」は、作品内だけで使う特別な編み方を説明する項目です。
一般的な略語に見えても、特定の順番で針を入れたり、複数の操作を組み合わせたりする場合は、この欄に詳しい手順が載っていることがあります。
| 確認したい項目 | 主な内容 | 見るタイミング |
|---|---|---|
| Abbreviations | 略語の意味や基本的な操作名 | 本文を読み始める前 |
| Special Stitches | 作品専用の特殊な編み方や手順 | 該当する記号・略語が出る前 |
| Notes | 編み始めの注意点、数え方、表記の補足 | 作り目をする前 |
| Pattern Notes | 模様や構造に関する全体的な案内 | 手順全体を確認するとき |
用語集が見つからない場合は、パターンの最後や別ページにまとめられていることもあります。
閲覧用の画面では検索機能を使い、「Abbreviations」「Special Stitches」「Notes」を探すと確認しやすいでしょう。
わからない略語を見つけるたびに作業を止めるより、最初に関連する説明を一通り読んでおくと、落ち着いて編み進めやすくなります。
同じ略語でも制作者独自の定義がないか確認する
編み物で広く使われる略語であっても、パターンによっては制作者独自の定義や補足が付けられている場合があります。
とくに、複数の操作をひとつにまとめた略語、模様部分だけで使う記号、段の始まりに関する表記は注意して確認したいところです。
略語の直後に数字や記号が付いている場合も、単純に回数を示すとは限りません。
目の位置、編む方向、前段のどの部分を拾うかなどを表していることもあります。
- 略語が用語集に載っているかを確認します。
- 略語の説明に「このパターンでは」といった補足がないかを読みます。
- 本文中で初めて登場する箇所に、追加説明がないかを確認します。
- 目数の変化が書かれている場合は、操作後の合計目数とも照らし合わせます。
たとえば、一般的には同じような意味で扱われる表現でも、制作者によって針を入れる位置や糸のかけ方まで指定されることがあります。
そのため、外部の略語一覧は意味を予想するための参考にとどめ、最終的には作品の説明を基準にすることが大切です。
複数のパターンを並行して編む場合は、略語の意味を以前の作品の記憶だけで判断しないようにしましょう。
パターンごとに小さなメモを付けておくと、途中で再開するときにも確認しやすくなります。
特殊な編み方は写真や動画もあわせて確認する
文章だけでは動きをイメージしにくい特殊な編み方は、写真や動画もあわせて確認すると理解しやすくなります。
とくに、針を入れる角度、糸を渡す位置、複数の目をまとめる順序は、図や映像があると把握しやすい部分です。
パターン内に写真付きの解説、図解ページ、制作者が案内する動画へのリンクがあるなら、まずはそれを優先して見るとよいでしょう。
作品の意図に沿った手順を確認しやすく、本文の説明とも照らし合わせやすいためです。
- Special Stitchesの文章を最後まで読みます。
- 写真や図がある場合は、針と糸の位置を確認します。
- 必要なら指定された動画を再生し、手の動きをゆっくり見ます。
- 本番の糸で始める前に、余り糸で数目だけ試します。
- 試し編みの目数や見た目が説明と大きく違わないかを確認します。
外部の動画を見るときは、同じ略語でも手順が完全に一致するとは限らないため、タイトルだけで選ばず説明内容まで確認することが大切です。
動画の手順とパターンの記載に違いを感じたときは、パターンに書かれた指示を優先しましょう。
わからない部分を小さく試してから本番に進めば、英文パターンの略語も少しずつ自分の言葉として読み取れるようになります。
まとめ
この記事のポイントをまとめます。
- 英文パターンは、基本の略語から少しずつ覚えると読みやすくなります。
- 棒針編みとかぎ針編み、かぎ針編みのUS式・UK式では略語の意味が異なります。
- yo・k2tog・sskは、増し目や減らし目の形を整える大切な略語です。
- 編み始める前に、サイズ・ゲージ・用語集などの全体情報を確認します。
- rep・アスタリスク・括弧は、繰り返す範囲や回数を示します。
- RS・WS・row・rndを確認すると、表裏や段の進み方を把握しやすくなります。
- 編み地の英語名を知ると、完成した作品の質感を想像しやすくなります。
- 知らない略語は、一般的な一覧より先にパターン内の用語集で確認しましょう。
英文パターンは、一見すると記号や略語が多くて難しそうに感じるかもしれません。
けれど、よく使う略語の意味と、指示を読む順番を押さえておけば、少しずつ内容をつかめるようになります。
最初は短い小物や、用語集が丁寧に付いたパターンから選ぶと、落ち着いて練習しやすいでしょう。
わからない言葉はそのままにせず、パターンの説明欄に戻って確認することが、きれいに仕上げるための近道です。
お気に入りの作品を見つけたら、略語一覧を手元に置いて、楽しみながら英文パターンに挑戦してみてください。
